2015年 第86回都市対抗野球 2回戦

2015年7月24日 東京ドーム 晴れ

西濃運輸1-6日本生命
三菱重工神戸・高砂2-6トヨタ自動車

第一試合は西濃運輸の四番手で登板した山下大輝(24歳・投手・176cm・83㎏・右投右打・常葉大浜松)がお目当て。堂々とした社会人らしい体格で、いかにも鍛えたというのが第一印象。テイクバックは小さく、ボールの出どころが見づらいのが長所。少しリリースで引っかかるボールも多かったが、全体的に低めにボール集まっており、最速150kmをマークしたストレートには力があった。少しクロスに踏み出して、左右にぶれるのがもったいない。変化球も決め球のフォークを簡単に見逃されており、カーブとスライダーも平凡に見えた。このあたりが改善されてくれば、リリーフタイプとして面白い。山下の前に登板した野田昇吾(22歳・投手・167cm・70㎏・左投左打・鹿児島実・西武3位)も完全なリリーフタイプ。少し肘を下げてスリークォーター気味にしたことで、独特のボールの角度が出てきた。気がかりなのが上半身主導のフォーム。高校時代は下半身で体をリードして楽に腕を振っていたが、今は体が大きくなったことでバランスが崩れやすくなっている。腕を振って変化球を投げられるのは長所だが、もう少し全体的に精度を上げないとプロでは厳しい印象だ(この日の最速は144km)。
日本生命では先発した清水翔太(23歳早生まれ・投手・177cm・78㎏・左投左打・中京大)の安定したピッチングとトップバッターの伊藤悠人(23歳・1番・中堅手・173cm・74㎏・左投左打・近大)のスピード溢れるプレーが光った。清水は大学時代も見た投手だが、当時より明らかにフォームのキレがアップ。ムダな動きがなく、体重移動のスピードも上がった印象を受ける。ストレートは最速142kmで130km台が多いものの、テイクバックで肘がきれいに立ち、前でリリースできているため打者の手元でキレを感じる。コーナーを投げ分ける制球力、カーブとスライダーでカウントをとりフォークとチェンジアップで勝負と変化球だけで勝負できる技術など見るべきところが多かった。凄みがないためプロは好まないタイプだが、この日のピッチングなら長く社会人で活躍できるだろう。伊藤は二度のセカンドゴロの一塁到達が4.08秒、4.05秒をマーク。いずれも少し流し気味に走ったもので、全力を出せば楽に4秒を切るだけの脚力はあるだろう。打つ方も足に頼らずにしっかり腰のすわったスイングができており、引っ張れるのが魅力。もう少しスローイングに強さが出てくればプロ入りも見えてくるだろう。
第二試合ではトヨタ自動車の捕手、木下拓哉(24歳・4番・捕手・183cm・90㎏・右投右打・法大・中日3位)がさすがの存在感を見せた。2014年の日本選手権の時は少し肘が下がっていたがしっかり改善され、ホップするようなセカンド送球は圧巻。少しモーション大きくてもイニング間のタイムも最速1.91秒をマークした。打撃もトップの形が安定しており、小さいバットの動きで力強いスイングができている。ヘッドスピードと長打力も申し分ない。このレベルの捕手が3位で指名された中日は本当にラッキーであり、1年目からの正捕手定着も十分に期待できるだろう。トヨタ自動車の野手でもう一人目立ったのがルーキーの水野一世(22歳早生まれ・2番・中堅手・186cm・79㎏・右投右打・国学院大)。大型だが身のこなしが軽やかで、低い軌道でホームまでノーバウンドで届くセンターからのスローイングは圧巻。打つ方は打順を考えてか大学時代よりコンパクトになった印象を受けたが、ヘッド下がらずにシャープに振り切れている。リストの強さが魅力で、第四打席にレフトへの一発を放っているように長打力も健在だ。先発した上杉芳貴(27歳・投手・179cm・75㎏・右投右打・中京大)は年齢を考えて最初は対象外と考えていたが、あまりに凄いボールを投げるので2回から慌ててメモを取り出した。テイクバックは以前よりも小さくなったが、スピードは逆にアップした。立ち上がりから140km台後半を連発し(この日の最速は149km)、低めの伸びは普通ではない。打者が低いと思って見送ったボールが手元で伸びてストライクになっていた。立ち上がりにスピードを十分に印象付けた後は変化球で目線を変えるなど投球術も光る。残念ながら2015年のプロ入りはならなかったが、2016年もドラフト候補として外せない存在だ。

他に目についた選手
西濃運輸
伊藤匠(24歳・4番・三塁手・179cm・84㎏・右投右打・岐阜経済大)
少しバットの引き大きいがフルスイングの迫力はやはり魅力。空振りでも投手に怖さ与えられる。

六信慎吾(24歳・投手・178cm・81㎏・右投右打・法大)
体つき大きくなり安定感増した。肘も高く上がりボールの角度もアップ。最速143km。

トヨタ自動車
大城戸匠理(24歳・3番・二塁手・178cm・78㎏・右投右打・法大・Honda鈴鹿から補強)
バット動かずステップも小さい職人的な打撃は大学時代と変わらず。打つ形の良さは社会人でも上位のレベル。

※日本生命は以前も取り上げたため割愛

この記事をシェアする