2015年 第86回都市対抗野球 1回戦4

2015年7月21日 東京ドーム 晴れ

JR九州3-4日本新薬

ドラフト候補の投手を多く抱えるJR九州だが、この日先発したのは福敬登(23歳・投手・178cm・85㎏・左投左打・神戸西・中日4位)。少し太めの体つきは気になるがフォームの安定感は出色。走者がいなくてもセットから投げており、無駄な動きをせずにスムーズに体重移動して、楽に腕を振って140km台をマークする。リリースに力が集中しており、立ち上がりは140km台前半でも低めの伸びが素晴らしかった(この日の最速は145km)。課題は決め球になる変化球とスタミナ。スライダー、チェンジアップと対になるボールはあるものの、いずれもキレ、ブレーキが物足りず追い込んでから粘られるシーンが目立った。そしてスピードも3回からはガクッと落ち、130km台中盤までダウン。4回途中でピンチを招いたところで降板となった。タイプ的には先発向きだけに、この二つの課題をクリアできないとプロでも活躍は難しいだろう。二番手で登板した信楽晃史(24歳・投手・180cm・83㎏・右投右打・福岡大・宮崎梅田学園から補強・ロッテ6位)はクラブチームからの補強選手ながら、大会前から評判になっていた投手。長いリーチと腕の振りから素材の良さは感じられたが、この日は課題が多く目についた(この日の最速は143km)。腕が外回りしながらトップの形を作るので、どうしても腕の振りが体から遠くなる。体の使い方も横回転し、下半身と上半身が連動せずに腕の振りに頼ったフォームになっているのも気になった。変化球で面白いのはシュートしながら落ちるツーシーム。もう少し腕を下げてサイド気味のフォームにした方が良さが生きる可能性が高いように見えた。入団したロッテでは益田直也がいいお手本となるのではないだろうか。三番手で登板した菊地翔太(24歳・投手・186cm・90㎏・右投右打・一関学院)も毎年ドラフト候補に名前の挙がる投手。最速は149kmとさすがのスピードを見せたが、下半身が相変わらず弱く、逆球の多さが気になった。鋭く落ちるフォークは決め球として使えるキレがあるだけに、リリーフタイプとしては面白いが、もう少しフォームに安定感が出てこないと厳しいだろう。
日本新薬では最終回にリリーフした北出浩喜(22歳早生まれ・投手・181cm・78㎏・右投右打・愛工大・パナソニックから補強)のパワーピッチングが光った。2点差に追い上げられてなおも無死一・二塁の大ピンチでの登板だったが、最初の打者を全てストレートで見逃し三振。その後1点差まで追い上げられたが、最後も社会人球界を代表する強打者の藤島琢哉(32歳・1番・右翼手・177cm・80㎏・右投右打・九州東海大)を力で抑え込んで空振り三振と見事に試合を締めた。少し軸足が早く折れるが、重心が上下動せずに体重移動にスピードがあるのがいい。腕の振りも非常にシャープで力強く、常時145km前後をマークするストレートは数字以上の威力があった(この日の最速は146km)。菊地とは異なりコーナーを突く制球力もあり、リリーフとしての需要にぴったり当てはまる投手。2016年は注目の投手の一人になることは間違いないだろう。

他に目についた選手
JR九州
川嶋克弥(25歳・3番・二塁手・172cm・72㎏・右投左打・明大・Honda熊本から補強)
上背なくてもスイングの力強さは一級品。左投手全く苦にせず、外角いっぱいのボールを踏み込んで鋭くセンター前へ弾き返す。

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