2015年 第86回都市対抗野球 1回戦3

2015年7月20日 東京ドーム 晴れ

王子1-0セガサミー

この日素晴らしいピッチングを見せたのが王子の近藤均(25歳・投手・177cm・82㎏・右投右打・関西大)。過去にも見ている投手だが、ここまで素晴らしい投手だったのかと唸る内容で、結果は被安打4、10奪三振のシャットアウト。少しかつぐフォームだが、下半身の安定感が抜群で躍動感がありながらもフォームがぶれない。しっかりとボールを抑え込み、両サイドに投げ分けるストレート、カットボール、スライダーはいずれも抜群の精度だった。特に目を引いたのが左打者の外への変化球。スライダーとカットボールをしっかり変化をつけて、ボールからストライクに入るボールは打者がなかなか手が出ない。ストレートの比率は非常に少なかったが、最速146kmをマークしたようにスピードも威力も申し分なかった。大きいカーブ、ブレーキのあるフォーク、チェンジアップと他のボールも素晴らしい。この後の試合でも2回戦のHonda相手にも完封し、準決勝では優勝した日本生命を相手に10回1/3を1失点(サヨナラ負け)とまさに獅子奮迅の活躍。ドラフトではまさかの指名漏れとなったが、アマチュア球界屈指の実力者であることは間違いなく、26歳になる2016年もドラフト候補に名前を連ねることになるだろう。近藤とバッテリーを組んだ船越涼太(22歳・8番・捕手・178cm・76㎏・右投右打・市立柏・広島4位)はこの試合で初めて見た選手だったが、その強肩ぶりが強く印象に残った。ただ肩が強いだけでなく、フットワークも軽快。イニング間のセカンド送球では余裕を持って最速1.89秒をマークした。高校時代は宇佐見真吾(城西国際大→巨人4位)と同級生でサードを守っていたとのこと。社会人で捕手に転向して、ここまでの選手になれるのかと正直驚いた。守備に関しては宇佐見より魅力を感じる選手である。初のプロキャンプでは肩を痛めて離脱したという残念なニュースが入ってきたが、焦らずにしっかり治してもらいたい。船越とともに広島から指名を受けた西川龍馬(21歳・3番・遊撃手・175cm・67㎏・右投左打・敦賀気比・広島5位)も攻守に良さが目立った。細身だが下半身に強さを感じ、バランスの良いフットワークは出色。打つ方もきれいにヘッドが抜けており、8回には試合を決めるタイムリーも放った。プロでは同じタイプの田中広輔がライバルとなるが、今年で22歳とまだ若いだけに更に上を目指してもらいたい。
セガサミーでは先発した森脇亮介(23歳・投手・174cm・66㎏・右投右打・日大)が良さを発揮した。体つきは大学時代と変わらず細いが、肘が明らかに高く上がるようになり、それにともなってスピードもアップ。コンスタントに140km台後半をマークし、最速は150kmの大台に到達した。ただ速いだけでなく、上半身の力を上手く抜いて楽に腕が振れており、ボールの角度も身長以上のものがある。大きいカーブで緩急をつけられるのもストレートを際立たせている。高校時代は内野手も兼任していたこともあって、フィールディングはプロでも上位のレベルだ。課題はやはり体の細さ。どうしても重心が上下動するのでリリースに安定感がなく、ストレートも変化球も制球はアバウトな印象を受ける。センスに頼らずしっかり体力強化に成功すれば上位候補の可能性も出てくるだろう。

他に目についた選手
セガサミー
本間諒(23歳・1番・右翼手・176cm・88kg・右投左打・立正大)
過去にも取り上げたので寸評は割愛。

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